中村砦跡
なかむらとりであと(Nakamura Fort Ruins)
【C-SZ142】探訪日:2024/9.8
静岡県掛川市中
【MAP】
〔駐車場所〕若宮神社前など周辺に路駐させていただく。
松平家忠の『家忠日記』によれば、徳川軍による高天神城奪還に向けての高天神六砦の一つとして、1580(天正8)年3月に三井山砦と同時に3日間で完成したという。砦の守将は横須賀城主・大須賀康高で、彼ら横須賀衆は獅子ヶ鼻砦,安威砦,火ヶ峰砦も普請・守備を任された。このほか多くの砦が次々と完成し(10月には砦,付城の数は22に達した)、9月には城攻めが開始され、その後の兵糧攻めの結果、翌1581(天正9)年3月、高天神城は陥落する。
中村砦は高天神城から南東約3.3kmの丘陵地に位置し、東西170m,南北60m,比高20mの小規模な砦である。最高部の三角形状の主郭と東に延びる2本の土塁状の尾根が駐屯地,兵糧庫と考えられる平地を馬蹄形に囲っている。主郭の西側と堀切を挟んだ現・若宮神社後方の微高地は見張台とみられる。主郭下の西側にも駐屯地とみられる平地が広がる。