大和天神山古墳
やまとてんじんやまこふん(Yamatotenjinyama-Kofun Tumulus)
【K-NR149】探訪日:2022/9.11・10.2
奈良県天理市柳本町天神
【MAP】
〔駐車場所〕
行燈山古墳(崇神天皇陵)前方部の西方に位置する南向きの前方後円墳である。1960(昭和35)年の県道拡張工事の際に緊急発掘調査が行われ、その後、南北の主軸方向に削られ、墳丘の東半分が道路、西半分は伊射奈岐神社の一部となった。規模は全長103m、前方部幅47m,高さ7m、後円部径56m,高さ9mを測り、葺石はあるが埴輪は確認されていない。
埋葬施設としては、後円部に全長6m,幅1.4m,高さ1.2mの竪穴式石室が検出されている。上部は石室の両側から持ち送り、天井石を設けない合掌式である。石室の中央部には長さ2.6m,幅0.75mの板材を合わせた木櫃状の木製容器が置かれ、その周辺には銅鏡が20面が並べられ、その中央には粉総重量約41kgの水銀朱が納められていた。また、木口板の外部にも北方で2面、南方で1面の銅鏡が置かれていた。このほかにも鉄剣,鉄鏃,刀子,鎌などが出土し、前方部からは二重口縁壺も出土している。23面の銅鏡と鉄製品16点および土器片は国の重要文化財に指定されている。なお、木櫃には遺骸を埋葬していた形跡がなく、行燈山古墳の陪塚とも考えられている。
築造時期は、周辺の古墳との関係や日本製青銅鏡の形式から、3世紀末から4世紀頃と推定されている。