マバカ古墳
まばかこふん(Mabaka-Kofun Tumulus)
【K-NR124】探訪日:2022/8.21
奈良県天理市成願寺町
【MAP】
〔駐車場所〕
大和古墳群の萱生支群南寄りに位置する西に向く前方後円墳である。復元全長は約80mとされるが、現状規模は全長約74m、後円部径約43m,高さ約7m、前方部幅約26m,高さ2mを測り、造り出しが確認されている。
2002(平成14)年に県道天理環状線建設に伴い墳丘の一部を発掘調査した結果、墳丘西側の前方部に接する場所で濠状の区画と池状の落ち込みが見つかり、出土した庄内式土器の破片から纒向石塚古墳や纒向勝山古墳に近い築造時期(3世紀前半?)の可能性が指摘された。また、2004(平成16)年には古墳北西側の隣接地の幅27mほどの河川跡の上層でも古墳時代後期の須恵器、下層で前期の円筒埴輪片、濠跡にも堆積土から古墳時代初期の古式土師器が少量出土した。これらの出土遺物から、大和古墳群の中でも最も遡る(古い)時期に築造されたものであると考えられる。箸墓古墳と同時期もしくはさらに遡る3世紀前半の可能性があるとされる。明治年間に勾玉,管玉が出土したというが、埋葬施設は明らかでない。
現在、墳丘は果樹園となっており、さらにくびれ部分を斜めに通る道路によって分断されている。古墳とは関係ないが、この地は刀根早生柿の発祥の地であり、前方部脇に石碑と説明板が立てられている。