ウワナリ塚古墳
うわなりづかこふん(Uwanarizuka-Kofun Tumulus)
【K-NR176】探訪日:2022/10.2
奈良県天理市石上町
【MAP】
〔駐車場所〕
石上・豊田古墳群平尾山支群の一つで平尾山丘陵頂部に築造された大型前方後円墳である。前方部(民有地で中に入れない)を北北西方向に向け、墳丘長110m、前方部幅80m,高さ14m、後円部直径68m,高さ16mの2段築成で、墳丘くびれ部西側には造出しがつく。墳丘表面には円筒埴輪,葺石が認められる。造出し部では須恵器が出土している。
埋葬施設は後円部南側に両袖型の横穴式石室が開口し、花崗岩の巨石を用いた大型石室であり、室内からは石棺の破片が見つかっている。玄室部長さ6.8m,幅2.9~3.1m,高さ3.6mで、羨道部は一部破壊されており現存長約3.5m(推定復元約9m),幅約2.1mを測る。玄室の奥壁は3段、側壁は4段積みで、天井石は3枚である。なお、副葬品は明らかでない。
古墳時代後期の6世紀前半~中頃の築造と考えられ、小谷を隔てて西100mにある石上大塚古墳と並列する。古墳名の「うわなり(後妻)」とは、石上大塚古墳を「こなみ(先妻)」となぞらえたことに由来すると推測されている。ほかにも付近では別所大塚古墳が分布し、3基は同様の墳丘規模,石室規模,築造時期であることから類縁関係にあると想定され、物部氏の首長墓とする説が挙げられている。
【史跡規模】 |
【指 定】 【国 宝】 【国重文】 |
関連時代 | 古墳時代:後期 |
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関連年号 | 6世紀前半~中頃 |
関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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物部氏 | MB** |
開口部に金網柵はあるものの、右側より内部に入ることができる。巨大な花崗岩の石英だろうか、わずかな光に反射してシルバーに輝いて見え、神秘的な感じがした。あまり知られていない古墳であるが、訪れて何か得した気がした。入ることはできないが、前方部の横を通って石上大塚古墳に向かう。
ウワナリ塚古墳・石上大塚古墳・別所大塚古墳(Googleマップ航空写真:黄線は概略外形)