刈谷城主である水野家の菩提寺･楞厳寺境内にある。於大の方の兄でもあり、1575(天正3)年に佐久間信盛の讒言にあい、織田信長の命を受けた甥の徳川家康に殺害されるという非業の最期をとげた水野信元とその室(松平信定の娘)、および追放された信盛の後に刈谷城主に復した信元の末弟･忠重の墓がある。
　なお、佐久間信盛の讒言は、武田勝頼の武将･秋山信友が攻略した岩村城を信長が囲城した際、水野領から秋山方へ兵糧が輸送されたというものであったが、信長はのちに冤罪であったと認めている。また、刺客役の平岩親吉、案内役の久松俊勝(於大の方の夫で信元の義弟)は信元を討ったことを悔いている。坂部城主の久松俊勝は一時出奔してしまい、於大の方とその子供たちは家康の下に引き取られた。