築城年代は定かではないが、明知城が築城された1247(宝治元)年と同時期に、この千畳敷台地に築かれたと伝えられる。
　1528(享禄元)年3月10日、この砦で明智光秀が誕生したとされ、三の曲輪に産湯の井戸も残されているが、光秀の生誕地を主張する個所は、このほかにも多羅城(ここも多羅砦と呼ばれるが),明知城,明智長山城はじめ瑞浪市,山県市などがある。
　また、｢明智年譜｣には1573(天正元)年以降、明智遠山氏の一族である遠山串原五郎景経が居城したとされ、武田氏の勢力拡大に対する防衛に当たっていたと思われる。
　本丸には、桝形虎口,武者走り,客人接待場所などが残り、二の曲輪(出丸)は見晴らしがよく見張台もしくは狼煙台の機能を持っていたと考えられる。