<天孫系>

A002:伊邪那岐神  天之御中主神 ― 伊邪那岐神 ― 綿積豊玉彦命 A311:綿積豊玉彦命

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綿積豊玉彦命 豊玉毘売命 玉依毘売命

 日本神話で最初に登場するワタツミの神は、オオワタツミ(大綿津見神・大海神)である。神産みの段で伊弉諾尊・伊弉冉尊二神の間に生まれた。神名から海の主宰神と考えられている。『記紀』においてはイザナギは素戔嗚尊に海を治めるよう命じている。
  また、綿津見神の子のウツシヒカナサク(宇都志日金析命)が九州北部の海人族であったとされ阿曇連(阿曇氏)の祖神であると記している。現在も末裔が宮司を務める志賀海神社は安曇氏伝承の地である。
  山幸彦と海幸彦の段では、火照命又は火須勢理命(海幸彦)の釣針をなくして困っていた火遠理命(山幸彦)が、塩土老翁の助言に従って綿津見大神(豊玉彦)の元を訪れ、綿津見大神の娘である豊玉姫と結婚している。二神の間の子であるウガヤフキアエズはトヨタマヒメの妹である玉依姫に育てられ、後に結婚して神日本磐余彦尊らを生んでいる。綿津見大神の出自は書かれていないが、一般にはオオワタツミと同一神と考えられている。

 海神の娘で竜宮に住まいする。真の姿は八尋の大和邇であり、異類婚姻譚の典型として知られる。神武天皇の祖母であり、天皇の母玉依姫の姉にあたる。
豊玉毘売の「豊」は「豊かな」、「玉」を「玉(真珠)」と解し、名義は「豊かな玉に神霊が依り憑く巫女」と考えられる。

 タマとは霊のことで、ヨリとは憑りつくことである。すなわち、タマヨリビメとは「神霊の依り代となるヒメ」を意味する。この名を持つ神は複数存在する。彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊の妻で神武天皇の母のほかに、
玉櫛媛 - 玉依日売、活玉依媛とも。三島溝橛耳神(陶津耳)の娘。事代主神(大物主大神)の妻で鴨王(三輪氏の祖)・媛蹈鞴五十鈴媛命(神武天皇の皇后)・五十鈴依媛命(綏靖天皇の皇后)の母。また、火雷神の妻で賀茂別雷命の母。
玉依姫命 - 高皇産霊尊の娘万幡姫の娘。天忍骨命の妃で天之杵火々置瀬尊の母。