比丘尼城跡
びくにじょうあと (Bikuni Castle Ruins)
【C-AC200】探訪日:2018/3/26
愛知県新城市中宇利字麻布
【MAP】
〔駐車場所〕「世界の桜の園」の案内に従い坂の上ったところに駐車場がある。また、下(道路脇)にも駐車スペースがある。
宇利城跡から1.8km南方の標高約220m(比高150m)ほどの山頂に位置する。遺構は、曲輪や土塁状の高まり,堀跡などが良好に残存している。主郭の規模は50×30m、主郭北側の一段低い位置に曲輪がひとつ配置されている。また、南側は帯曲輪状の平坦地が巡り、堀(横堀)とみられる。虎口は曲輪の北,東,西に推測され、西側は堀切や竪堀が配され、東側より防備性が高かったと思われる。
宇利城有事の際に子ども,女性などが避難した城であるとも伝えられている。さらに、「比丘尼」という名から城主が女性であったとも言われている。南北朝時代、北朝方のこの地域と、南朝方勢力拠点の遠江井伊谷を中心とする地域は、三遠国境付近や浜名湖周辺で激しい攻防を繰り広げた。城の北側の川の対岸に『滝山くずれ』という墓があり、これは比丘尼城が落城した時に逃げた者たちが殺害された場所であるという伝承が残されている。また、遺構に戦国期のものに見られる特徴が残っていることから、この城は南北朝時代、戦国時代の2時期に使用されていたことが推測される。
【史跡規模】 |
【指 定】新城市指定史跡(1963年1月1日指定) 【国 宝】 【国重文】 |
関連時代 | 南北朝時代 |
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関連年号 | 1337年 |
関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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高 師泰 | TS04 | 足利直冬 | G331 |
世界中の桜の木が植えられている。案内によると、個人所有の山を地元の人達と協力して桜の木で埋め尽くすという計画とのこと。途中には、サッカーの長友佑都選手の奥さんの平愛梨さんが植えられた桜の苗木もあった。城としてはおそらく悲しい歴史を刻んだところと思われるが、春の訪れはそれを忘れさせてくれるのであろう。私が訪れたときには、ふもとの桜が満開で見物客が10数人散策していた。
比丘尼城縄張図(『愛知県中世城館跡調査報告』より)