勝瑞城館跡
しょうずいじょうやかたあと (Shozui Castle Residence Ruins)
【R-TS001】探訪日:2019/7/19
徳島県板野郡藍住町勝瑞東勝地
【MAP】
〔駐車場所〕
勝瑞城本丸跡から南へ150mの地点にある東西約120m,南北約150mの方形区画で、構造,出土遺物の質,量から三好実休の居館跡と推定されている。大規模な濠で区分けされた複数の曲輪からなる複郭式の館跡である。濠底には常に水が溜まっていたことを示す有機質粘土層が堆積しており、その中から呪符木簡やこけら経,卒塔婆,漆碗,柄杓,独楽などの大量の木製品をはじめ、貴重な資料が多く出土している。
また、居館から南方向に、東西40m以上,南北30mの枯山水庭園跡が発掘された。発掘庭園としては、日本国内最大級の池庭となる。中央には岬があることから、池全体は「つ」の字のような形をしている。小さな石が州浜に敷き詰めてあり、護岸には石積みがされ、景色に演出がなされていた(2010年に埋め戻し)。この北側にはこの庭園を観賞するための会所の建物跡も発見されている。規模は桁行七間,梁間四間半で、柱間寸法は1m97cmを測る。
会所の礎石の周辺は大量の炭化物、焼けた壁土を含んだ層に覆われ、礎石や景石の一部に熱を受けた痕跡が認められていることから、枯山水庭園や会所は火災によって焼失したと考えられている。1582(天正10)年に長宗我部元親の侵攻を受けたが、この時に火災によって焼失した可能性が高い。