1565(永禄8)年、この辺りに勢力をもつ服部党や一向一揆を抑えるために織田信長の命により、滝川一益,織田信興が服部友貞の不在を衝いて侵攻し、築いた城である。信長は更に服部氏の本拠である荷之上城を挟むように信興に命じ、小木江城を築かせた。
　1568(永禄11)年、服部友貞は伊勢霧山城へ向かっている途中で織田方の刺客により追い詰められ、伊勢米野の陰涼庵で自害したが、服部党による信長への抵抗は続いた。
　1570(元亀元)年、長島一向一揆が勃発すると、長島の門徒は古木江城にいた織田信興を攻め、包囲から6日後に落城させ、信興は自害または討死した。その後、1574(天正2)年の第三次長島侵攻の際、織田軍が鯏浦の一揆勢と戦っており、鯏浦城がその拠点として使われた可能性が高い。一揆鎮圧後は､古木江城とともに鯏浦城も廃城になったと思われる。
　城跡には織田信興の念持仏である薬師如来像を納める薬師堂が建てられ､明治時代になると、この薬師如来像を本尊とする薬師寺が建立された。