築城年は定かではないが、戦国時代初期に松平宗家5代･長親4男の松平義春が青野に来住し城館を築いた。義春は青野(東条)松平家の祖となり、2代･忠茂，3代･家忠，4代･忠吉と続くが、忠吉は1607(慶長12)年に嫡子無く没したため、東条松平家は4代で断絶した。
　2代･忠茂は1556(弘治2)年の日近合戦に今川軍として参戦し討死。子･亀千代(のちの家忠)には松井忠次(のちの松平康親)が補佐役を務めたが、1581(天正9)年に後嗣無く没し、跡を相続した徳川家康の4男･松平忠吉も先代同様、後嗣無く没し断絶となった。
　城跡とされるところは矢作川の東岸で現在は来迎院や住宅地となり、遺構は残されていない。境内には青野松平家の始祖･松平義春の墓がある。