東殿塚古墳
ひがしとのづかこふん(Higashitonozuka-Kofun Tumulus])
【K-NR142】探訪日:2022/9.11
奈良県天理市中山町92
【MAP】
〔駐車場所〕
西殿塚古墳のすぐ東側に並列し、主軸を南北とする標高約140mの高所傾斜地に築造された前方後円墳である。後円部は主軸に対してやや楕円になり、前方部は後円部の1.5倍と長い。全長は約139m、後円部径約65m,後円部高さは西側掘割り部から約16m、前方部幅49m,前方部高さは掘割り部から約13mを測る。埋葬施設などは不明であるが、出土した埴輪から、西殿塚古墳より少し後の古墳時代前期前半の4世紀初め頃の築造と推定される。
1997(平成9)年に行われた墳丘斜面の発掘調査では、前方部西側の一角から造り出し的な祭祀遺構が見つかり、そこから高さ約64cm,最大口径約50cmの楕円形円筒埴輪,朝顔型埴輪,特殊な形態の鰭付円筒埴輪などの多量の埴輪片が出土した。特筆すべきは、楕円形円筒埴輪の下部にヘラ書き船の絵を描いたものが3点(1~3号船画と名付けられた)発見されたことである。もっとも詳細に描かれているのは1号船画で、船はゴンドラの形をしており7本の櫂を描いていることから14人で漕ぐ大型船であり、帆に風を受けて海上を疾走する船を描いたものと解釈されている。このほかにも山陰系,近江系,東海系などの他地域の土器が出土しており、被葬者の船による広い範囲の交流を物語っている。
【史跡規模】 |
【指 定】 【国 宝】 【国重文】 |
関連時代 | 古墳時代:前期 |
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関連年号 | 4世紀初め |
関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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今回は雑木雑草で前方部の一部しかみることができなかったため、改めて冬場にチャレンジしたい。
東殿塚古墳と楕円形円筒埴輪の船画