寺崎白壁塚古墳
てらさきしらかべづかこふん(Terasakishirakabezuka-Kofun Tumulus)
【K-NR135】探訪日:2022/8.21
奈良県高市郡高取町与楽字寺崎
【MAP】
〔駐車場所〕
貝吹山の西の丘陵に位置する三段築成の方台形を呈した古墳である。南北に46m,東西前面60m,東西背面30mの台形基壇の上に30m程度の台形墳丘下段を造り、その上に16mの方形墳丘が載る。高さは約10m。墳丘背面は、幅6m,深さ2mにわたり区画のため掘削が行われている。埋葬施設は南面に開口する巨石を用いた横口式石槨で、玄室は長さ2.2m,幅1.1m,高さ0.9m、前室と羨道部は長さ8.2m,幅1.6~1.9m,高さ1.6mを測り、全長は約11mに達する。石槨の石材間には漆喰が充填されている。出土遺物としては須恵器やミニチュア炊飯具の鍋があり、築造時期は7世紀前半と考えられる。
被葬者はミニチュア炊飯具の出土から渡来系氏族(東漢氏)の首長とも、広大な墓域と墳丘が段ノ塚古墳(舒明天皇陵)と似ていること及び前室に榛原石が多数敷かれていたことなどから、舒明天皇の皇子・古人大兄皇子の墓とも考えられている。