桜井茶臼山古墳
さくらいちゃうすやまこふん(Sakurai-chausuyama-Kofun Tumulus)
【K-NR115】探訪日:2022/7.24
奈良県桜井市外山647
【MAP】
〔駐車場所〕
外山茶臼山古墳ともいう。墳丘長207mで前方部が細長く、全体が柄鏡形を呈する柄鏡式古墳である。築造は3世紀末葉から4世紀初頭と考えられている。箸墓古墳に後続する時期に造営された巨大な前方後円墳である。後円部の頂上には、高さ2m弱と推定される一辺9.75×12.5mの貼り石のある矩形壇があり、その壇の裾周りに二重口縁の壺形土器が巡らされている。さらに、その下に長さ6.7mの長大な木棺を納めた竪穴式石室が確認されている。石室は幅約1.2m,高さ約1.7mで、壁は幅30~40cmの板状の石を煉瓦のように積み重ねており、天井は12枚の巨石で塞がれている。石室全体には水銀朱(辰砂)が塗られており、埋葬者の権力の大きさがわかる。墳丘にしみこんだ雨水を抜くための石組の地中排水溝があることも、レーダー探査による調査で判明している。
副葬品は前期古墳の副葬品の典型的組合せ、すなわち、銅鏡や玉類,剣や刀などの武器類をセットにしている。破片から復元すると斜縁二神二獣鏡,方格規矩四神鏡,獣帯鏡,平縁の神獣鏡,内行花文鏡,三角縁神獣鏡など推計81枚以上という膨大な銅鏡が副葬されていたことがわかり、これは国内最多である。また、銅鏡の破片の中に「是」とみられる文字が書かれていたものがあり、群馬県の蟹沢古墳で出土した正始元年(魏の年号で240年)の銘文を持つ三角縁神獣鏡と一致したことから、魏皇帝から卑弥呼へ下賜された銅鏡100枚のうちの1枚ではとの推測もなされている。
【史跡規模】 |
【指 定】国指定史跡(1973年3月27日指定) 【国 宝】 【国重文】 |
関連時代 | 古墳時代:前期 |
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関連年号 | 3世紀末葉~4世紀初頭 |
関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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R |
桜井茶臼山古墳の後円部(『桜井茶臼山古墳現地説明会資料』より)