<神皇系氏族>天孫系

A103:建斗米命  建斗米命 ― 海部都比 KF01:海部都比

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海部千嶋 海部田雄
 推古天皇朝に丹波国造であった海部直止羅宿祢等が『丹波国造本記』を撰述。『国造本記』撰述から3世を経た養老5年(721年)、丹波国造海部直千嶋(第27世)とその弟である千足,千成らが『籠宮祝部氏之本記』を修撰している(一説に養老6年(722年)8月ともある)。  朝廷の要請に従って『籠名神社祝部氏係図』(『本系図』)を作成したのが、貞観年代(859~877)である。この本系図は先の千嶋らが作成した養老本記に基づき、数代を加筆するが、どうも意図的に神代と古い時代の人物を記載しないという、不自然なものであった。
海部稲雄

 『本系図』には神代や上祖の歴名を載せておらず、本記の体をなしていなかったため、稲雄が伝えられてきたこれらの系図や、他の古い記録などを参照して、仁和年中(885~889)に完成させたのが『籠名神宮祝部丹波国造海部直等氏之本記』(『勘注系 図』)である。
 したがって『勘注系図』の最後は、稲雄の子供たちの名 前で終わる。
今日伝わる『勘注系図』は江戸時代のはじめ頃、海部勝千代という人が書写した物である。
 なお、『籠名神社祝部氏係図』1巻と『籠名神宮祝部丹波国造海部直等氏之本記』1巻は、ともに古代の氏族制度や祭祀制度の変遷を研究する上での貴重な文献として、昭和51年(1976年)6月に国宝の指定を受けた。