前身は1225(嘉禄元)年に北条政子が夫の源頼朝の菩提を弔うため長谷笹目ヶ谷に願行を開山として創建した長楽寺と伝えられる。1333(元弘元)年、長楽寺は兵火により焼失し大町にあった善導寺に統合されて安養院長楽寺と号した。安養院は政子の法号から取られたものである。
　さらに、1680(延宝8)年に火災に遭った際には比企ヶ谷に田代寺を統合して再建された。田代寺は1192(建久3)年に田代信綱が尊乗を開山として建立した寺である。
　本堂内には本尊である阿弥陀如来坐像(室町時代)の背後に札所本尊の千手観音立像(江戸時代)が安置されているが、これは田代寺にあったもので田代観音とも称されている。