堀内貝塚
ほりうちかいづか (Horiuchi-Kaizuka Shell Mound)
【Z-AC025】 探訪日:2020/11.13
愛知県安城市堀内町羽開道
【MAP】
〔駐車場所〕
縄文時代晩期(約2700年前)の貝塚,墓および鎌倉時代の建物跡,墓である。1927(昭和2)年の道路改修工事の際に貝塚が発見された。碧海台地の東端に位置しており、幾度かの調査の結果、貝塚は台地の縁辺部に西から東に向かって下がりながら広がっており、最大で厚さ1.1mほどあり、ハイガイを中心に、マガキ,アカニシ,ハマグリ,アサリ,タニシ類などがあり、シカやイノシシなどの獣骨や少数ではあるがマダイ,クジラ,ウミガメなどの骨も見つかっている。
また、貝塚の北西部に同時期の墓域が確認され、穴を掘って葬った土坑墓が13基と土器の中に埋葬した土器棺墓が19基見つかっている。これらのうちのいくつかには人骨が残っている。土坑墓のうちの1つには、成人3人が埋葬されており、いったん骨にした後に再度埋葬する再葬墓と呼ばれる墓であると判断される。また、土器棺墓の中にも骨が残っているものが2つ見つかり、妊娠7ヶ月相当の乳児と2歳6ヶ月相当の乳幼児が葬られていた。土器棺は日常使用している深鉢を転用している。
この貝塚から出土した土器は、縄文時代晩期の時期を示す基準資料として、地域の名をとり「桜井式土器」と呼ばれている。
このほか、鎌倉時代の遺構には掘立柱建物と土坑墓が見つかっている。この内の1つには、副葬品として鉄製小刀と小皿が納められていた。