伊場遺跡
いばいせき (Iba Ruins)
【V-SZ002】探訪日:2017/2/19
静岡県浜松市中区東伊場2丁目22
【MAP】
〔駐車場所〕
弥生時代から平安時代にかけての遠州灘沿岸低地に複数形成された砂丘列上に位置する低湿地遺跡である。
太平洋戦争時に連合国軍の艦砲射撃によってできた大穴から弥生土器が出土し、遺跡があることが判明した。3重の堀に囲まれた環濠集落と、その中の平地式住居,掘立柱建物跡,墓などの遺構が検出され、遺物として弥生時代後期前半の弥生土器や木製農具,銅釧,小銅鐸,銅鏃、さらに全国的に非常に出土例の少ない木製短甲(鎧)も出土した。
また、伊場遺跡の周囲2km四方には、梶子遺跡,梶子北遺跡,城山遺跡,鳥居松遺跡,中村遺跡,九反田遺跡,三永遺跡がひろがっており、伊場遺跡を含めたこれら8遺跡は「伊場遺跡群」と総称され、調査の結果、奈良時代から平安時代初期にかけての地方官衙である敷知郡衙(郡家)と栗原駅家跡であることが解ってきた。「伊場大溝」と呼ばれる巨大な河川の流路跡は遺跡群内を蛇行しながら流れており、流路内やその周辺から大量の奈良,平安時代の遺物が出土し、その中には紀年銘資料の木簡も含まれていた。