三ケ日人只木遺跡
みっかびじんただきいせき (Mikkabijin Tadaki Ruins)
【V-SZ004】探訪日:2019/2/2
静岡県浜松市北区三ヶ日町只木
【MAP】
〔駐車場所〕
三ヶ日町只木の石灰岩採石場で9500~7500年前の縄文時代の人骨片が発見された。人骨片はすべて断片で、観察できる部位の特徴はすべてホモ・サピエンスであることを示している。特徴は、寛骨が小さく、かつ大腿骨片長さから推定された生前の身長が150cm前後と低い。
1958(昭和33)年の発見当初は、人骨片とともに、更新世に生息し、すでに絶滅したアオモリゾウの牙,トラ,オオツノジカやオオカミなどの獣骨片も発見されたため、人骨片も同時代のものと推定され、東京大学理学部人類学教室の鈴木尚教授と同地質学教室の高井冬二教授により約2万年前の更新世新人(旧石器時代)と確認された。この発見は歴史教科書でも「三ケ日原人」として紹介された。
しかし、2000(平成12)年、人骨に放射性炭素年代測定などを実施したところ、9500~7500年前の縄文時代のものと判明したのである。1980(昭和55)年に静岡県文化財に指定されていた只木遺跡も2013(平成25)年には指定解除され、「三ケ日原人」は「三ケ日人」となった。