松ケ洞古墳群
まつがほらこふんぐん (Matsugahora-Kofun Tumulus Group)
【K-AC168】探訪日:2023/9.13
愛知県名古屋市守山区竜泉寺2丁目
【MAP】
〔駐車場所〕
龍泉寺丘陵南西端近くの標高約64~86mの尾根上に立地する古墳群である。5世紀後半から6世紀前半と比較的短い期間に築造された古墳群で、1号墳から19号墳を数える。約400m南の小幡緑地1~3号墳を松ヶ洞古墳群に含めて20~22号墳とする場合もある。
直径8~20mほどの円墳17基(うち7基は滅失)と一辺8.5m,10mの方墳2基(うち1基は滅失)から成り、埋葬施設は木棺直葬,割竹形木棺,粘土槨が確認されている。また、埴輪片,埴輪,壺須恵器,武具,馬具,六鈴鏡,銅鏡,装身具(管玉・ガラス玉)などが出土している。
唯一残存する方墳の8号墳は一辺8.5m,高さ1mで、5世紀末の築造と推定され、発掘調査の結果、墳丘裾部分より円筒埴輪列,朝顔型埴輪などが出土、粘土槨に覆われた墓室には酸化鉄朱で赤く染まった2.4m,2.6mの二つの割竹型木棺が直葬されていた。棺内からは六鈴鏡,蕨手文鏡,勾玉,色ガラス玉,鉄剣,刀子,鉄鏃等が出土した。墳丘部からも葺石と多くの出土物があり、その副葬品から武人と女性が葬られていた可能性が高く、この群集墳のリーダー的人物ではないかと考えられている。
9号墳は直径16m,高さ1.5mの円墳で6世紀初頭の築造とされる。粘土槨2基,木棺直葬1基が埋葬されており、一部に赤色顔料が認められた。棺内からは鉄製馬具,武器,舶載品複環双葉形鏡板など、墳丘裾からは須恵器,円筒埴輪が出土している。
また、13号墳は直径17×20m,高さ1.7mの円墳で群中では最大規模。墳丘西裾より須恵器,円筒埴輪が出土し、葺き石が認められた。割竹形木棺痕も確認されたが、現在は滅失している。
15号墳は直径9m,高さ1mの円墳と従来考えられていたが、近年の発掘において不定型な帆立貝式前方後円墳の可能性があり、畿内系円筒埴輪が出土したことにより畿内との関連も考えられる。古墳自体は滅失している。
【史跡規模】 |
【指 定】 【国 宝】 【国重文】 |
関連時代 | 古墳時代 |
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関連年号 | 5世紀後半~6世紀初頭 |
関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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命 |
松ヶ洞古墳群分布図(現地説明板より)