行興寺
ぎょうこうじ (Gyoko-ji Temple)
【T-SZ001】探訪日:1990/11/12
静岡県磐田市池田330 <📲:0538-34-0344>
【MAP】
〔駐車場所〕
1061(延久元)年の創建とされるが、詳細は不明である。謡曲で有名な熊野御前の旧跡となっている。
熊野御前は平安時代末期に池田荘の庄司、藤原重徳の娘として生まれ育ち、教養豊かな美しい女性で、和歌の道にも通じ親孝行であったことから人々に 「女性の手本」 と称えられていたという。当時の遠江国司であった平宗盛に見初められて都に上り、たいへん寵愛されていたが、母の病気により郷里池田に戻り、母に孝養を尽くした。なお、平家物語『海道下』のなかには、1184(寿永3)年の一ノ谷の戦いで捕らえられた平重衡が梶原景時に連れられて関東へ下る途中、池田宿で熊野と歌を交わしたことが語られている。その後、宗盛は戦死し平家滅亡、母も亡くした熊野は、尼となり念仏道場(行興寺として熊野の死後に開山)を開くが、33歳の若さで短い生涯を閉じることとなる。
行興寺は長藤で有名であり、熊野が植えたとされる国指定天然記念物の老木と5本の県指定天然記念物の長藤がある。