丸山古墳
まるやまこふん(Maruyama-Kofun Tumulus)
【K-NR041】探訪日:2009/10.31・2022/8.21
奈良県橿原市五条野町
【MAP】
〔駐車場所〕
古くは五条野丸山古墳,大軽丸山古墳,見瀬丸山古墳とも呼ばれていた。ただ、円墳ではなく丘陵上の傾斜地に設けられた大規模な前方後円墳であり、全長は318m、前方部幅210m,高さ15m、後円部の径155m,高さ21mを測る。実際の被葬者は明らかでないが、後円部墳頂は宮内庁により第40代・天武天皇,第41代・持統天皇の陵墓参考地に治定されている(畝傍陵墓参考地)。なお、欽明天皇とその皇后・堅塩媛の陵墓とする説もあるほか、蘇我稲目の名も被葬者に挙げられている。奈良県では最大、全国では第6位の規模の巨大古墳で、大王墓としては最後の前方後円墳になる。宮内庁治定部分を除く古墳全域は国の史跡に指定されている。築造は6世紀後半と推定される。
埋葬施設は横穴式石室で、全長は28.4mと全国第1位の規模である。羨道は巨大な自然石6枚で天井を覆い、長さ20.1m,幅1m以上,高さ1.5mほど。玄室は長さ8.3m,最大幅4.1m,高さ4.5mの大きさである。内部には刳抜式家形石棺が2基、L字型に直交するように置かれている。通常石室は円墳の中央に置かれるが、丸山古墳では中央から20mほどずれている。奥棺は蓋の長さが2.42m,幅1.44m,高さ0.42m、前棺は蓋の長さが2.75m,幅1.41m,高さ0.63mで、材質は流紋岩質溶結凝灰岩である加古川付近の竜山石が用いられている。