住吉大社

すみよしたいしゃ(Sumiyoshi Taisha Shrine)

【S-OS003】探訪日:2015/2.24

【S-OS003】住吉大社 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89 <📲:06-6672-0753>

【MAP】

〔駐車場所〕

【S-OS003】住吉大社

   全国にある住吉神社の総本社であり、その創建は『帝王編年記』では神功皇后摂政11年辛卯としており、現在の住吉大社でもこの年をもって鎮祭としている。『日本書紀』神功皇后摂政前紀によれば、住吉三神(筒男三神)は神功皇后の新羅征討において皇后に託宣を下し、その征討を成功に導いた。そして神功皇后摂政元年、大和への帰還中に麛坂皇子,忍熊皇子の反乱に遭い、さらに難波へ向かうも船が進まなくなったため、務古水門で占うと住吉三神が三神の和魂を大津渟中倉之長峡で祀るように託宣を下した。通説ではこの大津渟中倉之長峡が住吉大社の地に比定され、この記事をもって住吉大社の鎮座とされる。また、神功皇后はその地に住んでいた手搓足尼(田裳見宿禰)を神主として祀らせたという。この田裳見宿禰の後裔が住吉大社の祭祀を担った津守氏一族とされる。
 社殿は大阪湾の方角に西面して鎮座する。海の神である筒男三神と神功皇后を祭神とし、第一本宮に底筒男命,第二本宮に中筒男命,第三本宮に表筒男命、そして第四本宮に神功皇后と、4本宮に1柱ずつ祀られている。なお、927(延長5)年成立の『延喜式』神名帳での祭神の記載には、第一宮を表筒男命,第二宮を中筒男命,第三宮を底筒男命,第四宮を姫神宮(気息帯長足姫皇后宮)としており、現在とは順序が異なる。第四宮は時期が下って合祀され、配置も他の3本宮の列とは外れている。なお、住吉三神は、黄泉国から帰ったイザナギ(伊奘諾尊/伊邪那岐命)が筑紫日向小戸橘檍原で禊をしたときに、綿津見三神(海三神)とともに誕生したとされる。
 住吉大社の文献上初見は、686(朱鳥元)年、紀伊国国懸神,飛鳥四社,住吉大神に弊が奉られたという記事である。692(持統天皇6)年にも藤原京遷都に伴う奉幣記事が見える。平安時代には和歌の神としても信仰され、『源氏物語』をはじめ多くの物語に描かれ、度々貴族の参詣もあった。さらに院政期には熊野詣の途次で上皇,貴族が参詣している。摂津国内では一宮に位置づけられていった。その後も貴族や武家からも崇敬され、南朝の後村上天皇,長慶天皇が一時期住吉大社に行宮を置いてこともある(住吉行宮)。1607(慶長12)年には豊臣秀頼による社殿と境内の再興がなされ、江戸時代にも度々造替が実施され、1810(文化7)年には現在の本宮社殿が造営された。
 本殿4棟(国宝)は住吉造と称され、神社本殿としては神明造,大社造,大鳥造と並んで飛鳥時代まで遡る最古様式に位置づけられる。建物は桁行(本建物の場合は側面)四間、梁間は正面三間・背面二間(または正面一間・背面二間)で、切妻造,妻入とし、屋根は檜皮葺、内部は前後2室とする。柱は丸柱で礎石上に建てられ、正面中央の柱は省略して板扉を設ける。屋根は反りがなく直線的で、屋根上には千木と鰹木が乗る。このほか、幣殿,石舞台,高蔵など多くの建物が国の重要文化財に指定されている。神宝としては、数少ない古代文書の一つである『住吉大社神代記』は国の重要文化財に指定され、木造舞楽面など多数が重要文化財,大阪府指定文化財に指定されている。また伝統的な神事を多く残すことでも知られ、特に御田植神事は全国でも代表的なものとして国の重要無形民俗文化財に指定、夏越大祓神事は大阪府選択無形民俗文化財に選択されている。

【史跡規模】

【指 定】国指定史跡(住吉行宮跡:1939年3月7日指定)

【国 宝】住吉大社本殿4棟(附 瑞垣及び門) 

【国重文】住吉大社 13棟

       南門/東楽所/西楽所/石舞台/幣殿及び渡殿/南高蔵/北高蔵

       摂社大海神社幣殿及び渡殿/摂社大海神社西門/末社招魂社本殿(旧護摩堂)

       (附指定)住吉松葉大記 19冊

     ・住吉大社摂社大海神社本殿

     ・木造舞楽面 9面

       綾切4/抜頭1/貴徳番子1/皇仁庭1/秦王1/納曽利1

     ・太刀 銘守家 1口

     ・刀 銘小野繁慶 奉納接州住吉大明神御宝前 1口

     ・住吉神代記 平安時代の作

関連時代 古墳時代:後期 飛鳥時代 江戸時代:前期 江戸時代:中期
関連年号 神功皇后摂政元年 686年 1607年 1810年
関連人物 系図 関連人物 系図 関連人物 系図
底筒男命 A002 中筒男命 A002 表筒男命 A002
神功皇后 K009 持統天皇 K306 豊臣秀頼 ZZ01

 

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住吉大社境内案内図(住吉大社ホームページより)

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反橋 反橋 反橋の上から北方向を見る 北から反橋を見る 第三本宮(左)と第四本宮 第三本宮(左)と第四本宮 第三本宮(左)と第四本宮 第四本宮 第四本宮 第三本宮 第三本宮 第三本宮 第三本宮の後方に第二本宮 第二本宮 第二本宮 第二本宮 第二本宮 第一本宮 第一本宮 第一本宮 神楽殿 石舞台 石舞台 石舞台 楠珺社 楠珺社 神館