珠城山古墳群
たまきやまこふんぐん(Tamakiyama-Kofun Tumulus Clusters)
【K-NR058】探訪日:2017/8.27・2022/7.2
奈良県桜井市穴師1067-1
【MAP】
〔駐車場所〕
巻向山の別峰穴師山から西へ延びる丘陵端に位置する3基の前方後円墳が珠城山古墳群である。
第1号墳は、後円部南側に開口する横穴式石室を主体とし、墳丘は全長53m,後円部径20m,前方部長32m,前方部幅20mを測る。横穴式石室は片袖式で、玄室の長さ3.4m、幅は奥壁で1.65m、高さは約2m。玄室の中央には主軸に合わせて凝灰岩製の組合式石棺が据えられている。棺内には遺骨の一部が残り、玻璃製小玉,琥珀製棗玉が、また棺外では、奥壁沿いに須恵器,土師器、棺の東側には馬具,太刀が配置され、また棺の西側では甲冑のほか、見事な馬具が検出された。これらの副葬品の豪華さから極めて高位の被葬者が考えられる。
第2号墳は西向きの前方後円墳である。全長75m,前方部幅40m,後円部径40m、後円部は前方部より2mほど高く、本古墳群中最大の規模である。埋葬施設は不明であるが、その墳形からすれば、3基中、最も早く営まれたものと推察される。
第3号墳は第2号墳の西に所在したが、1958(昭和33)年の採土工事により前方部の先端が残存するのみである。前方部と後方部に南側に開口する横穴式石室があり、古墳規模は全長約50m,後円部直径約24mであった。
築造時期は6世紀とされ、おそらく第2→第3→第1号墳の順に築かれたと考えられている。