兜塚古墳
かぶとづかこふん(Kabutozuka-Kofun Tumulus)
【K-NR099】探訪日:2022/6.13
奈良県桜井市上之宮322
【MAP】
〔駐車場所〕
前方部を西方向に向けた前方後円墳で、墳丘長は40m、後円部直径20m,高さ3.5m、前方部幅19m,高さ3.5m。墳丘は基壇の上に築造されており、基壇は東西48m,南北26m,高さ4mを測る。墳丘表面では葺石と見られる小礫のほか、円筒埴輪片が認められる。
主体部の埋葬施設は後円部中央における竪穴式石室で、石室主軸を墳丘主軸と平行方向とする。扁平な川原石積みで構築され、長さ約3.7m(推定復元),幅1.4mを測るが、現在までに大きく破壊されている。石室内には粘土が敷き詰められ、その上に阿蘇溶結凝灰岩製の刳抜式家形石棺が据えられる。石棺は長さ約2.1m,幅約1m,高さ約1mで、蓋石には両側面に縄掛突起各2個がやや上向きに付くという古式家形石棺の様式になる。発掘調査では副葬品として装身具類(碧玉製管玉・琥珀製棗玉・銀製空玉・玻璃製小玉),鉄鏃,馬具(金銅装鏡板・杏葉)が検出されており、築造時期は古墳時代中期の5世紀末葉頃と推定される。