艸墓古墳
くさはかこふん(Kusahaka-Kofun Tumulus)
【K-NR056】探訪日:2017/8.27
奈良県桜井市谷字カラト
【MAP】
〔駐車場所〕
安倍山丘陵の東斜面に位置する方墳である。現在は東西南の三方を住宅に囲まれており、墳裾の形状は改変されている。墳丘は南東に延びる丘陵の小突起部分を利用して築かれ、規模は南北28m,東西22m,高さ7mである。古墳の築造時期は、副葬品が不明のため限定できないが、石室の構造や石棺の形式などから7世紀中頃と考えられる。
主体部は南東に開口する両袖式の横穴式石室で、全長13.2m,羨道長8.8m,高さ1.5m,幅2m,玄室長4.4m,高さ2m,幅2.7mの規模をもつ。玄室の規模の割に高さが低いのが特徴である。巨大な花崗岩の切石が用いられており、石の目地には漆喰が埋められているなど新しい要素が随所に見られる。玄室中央部には竜山石製の刳抜式家形石棺が安置されている。玄室の規模や羨道幅の割に石棺が大きく、石室構築前に石棺が据えられ埋葬が行われたとみられる。