築城年は定かではないが、1203(建仁3)年12月に｢三日平家の乱｣を起こした伊勢平氏の若菜五郎が萩原小太郎に命じて築かせたとされる。｢三日平氏の乱｣とは、伊勢国と伊賀国の平家残党が蜂起した乱で後鳥羽上皇の命により鎌倉幕府軍の平賀朝雅が、翌1204(元久元)年4月10日から三日間で反乱軍を鎮圧した。この乱で若菜氏,萩原氏とも滅亡した。
　室町時代には赤堀藤太郎が、朝明郡の中野城に移る前にここを居城としたとも伝えられる。
　現在は三重城山緑地公園(標高76.8m)として整備されている。城域は南北に、北の丸,本丸(山頂),二の丸(南端),三の丸と名付け得る小区域があり、それぞれに土塁がめぐらされていたと考えられる。
　なお、西坂部にはもう1ヶ所(小字｢城の谷｣辺り)城跡があったとされ、永禄年間(1558～69年)に山本豊前が居城していたという。