妻木城跡
つまぎじょうあと (Tsumagi Castle Ruins)
【C-GF024】探訪日:2018/8/19
岐阜県土岐市妻木町上郷
【MAP】
〔駐車場所〕登城ルートは2つ。妻木陣屋跡の右脇から南へ伸びる道を進むルートと、名岐国際ゴルフ場との兼用入口を入ってすぐ右の林道を進むルート。後者は城跡まで車で行くことができ、広い駐車場もある。
1339(暦応2/延元4)年、土岐頼重によって築城された可能性が高い。土岐氏が衰退してからは明智氏の所領になり、明智氏一族である妻木氏の居城となった。本丸,二の丸跡地に小さな神社が置かれている。石垣や曲輪,土塁などの遺構も整備されている。また、山麓の北側には妻木陣屋跡があり、2つとも岐阜県史跡に指定されている。
1582(天正10)年の本能寺の変後の山崎の戦いでは当時の城主である妻木広忠は明智軍に属し、敗北したため自刃した。明智光秀の正室である妻木煕子は妻木広忠の娘である。その後は妻木頼忠が跡を継いだ。その頃、頼忠に森長可が従うよう使者を送ったが、頼忠は拒否し城の兵を集めて奮戦したが、やがて和議にもちこみ、長可に従うようになった。1584(天正12)年、小牧・長久手の戦いのでは頼忠は森長可の家臣として豊臣秀吉側についている。
1600(慶長5)年の関ヶ原の戦いでは徳川家康側につき、頼忠はこの地域を守るよう命じられ、父である妻木貞徳、また岩崎城主である丹羽氏次と手を組み、岩村城主の田丸直昌と戦った。このほか、田丸領内で岩村城の支城となっていた明知城と小里城を攻撃し奪回することに成功し、それぞれに遠山利景,小里光親を帰城させた。攻略難落の岩村城は関ヶ原の戦いが東軍勝利に終わったことで城主田丸直昌も東軍に降り、岩村城を守備していた田丸主水も遠山利景に城を明け渡した。その戦功により1601(慶長6)年に頼忠は徳川家康から改めてこの地域を所領として与えられた。その頃にはこの城はほとんど使用されず、妻木氏は山麓にある居館に移っていた。その後、頼忠の子の妻木頼利、次いで頼利の子の妻木頼次が跡を継いだ。土岐郡内7500石の領主だったが、1658(万治元)年、跡継ぎなく頼次が死去すると、妻木氏は3代で廃絶し、妻木城も廃城となった。その後、頼次の弟の妻木幸広が妻木上郷500石にて妻木家を再興し、明治維新に至る。
【史跡規模】 |
【指 定】岐阜県指定史跡(1956年11月14日指定) |
関連時代 | 南北朝時代 | 戦国時代 | 安土桃山時代 | 江戸時代:前期 |
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関連年号 | 1339年 | 1582年・1584年 | 1600年 | 1658年 |
関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 | 関連人物 | 系図 |
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土岐頼重 | G132 | 妻木広忠 | G144 | 妻木煕子 | G144 |
妻木頼忠 | G144 | 森長可 | G396 | 妻木貞徳 | G144 |
丹羽氏次 | G351 | 田丸直昌 | **** | 遠山利景 | F828 |
小里光親 | G135 | 田丸主水 | **** | 妻木頼利 | G144 |
妻木頼次 | G144 | 妻木幸広 | G144 |
妻木陣屋跡で朝の散歩をされていた老夫婦に聞いたところ、「ゴルフ場から入れば、池のそばに広い駐車場がありますよ」と言われ、名岐国際GC(ゴルフ倶楽部)ルートで登城することとした。案内通り、GCの入口(裏口?)から入り、すぐに右に入る林道があったが、通行止めの看板が立っていたため、そのまま直進するとゴルフ場内に入ってしまった。コースとコースの間のカートが通るような小径を走りゴルフ場の正面入り口からやっと抜け出ることができた。たまにあることであるが、通行止めの看板が片付けられないまま放置されていたようである。再びGC裏口へ回り、通行止めの看板を無視して林道を進んだところ、途中で舗装が途切れ凸凹が激しかったりして少し不安を感じたが、やがて広い駐車場が現れた。確かに横に池があった。城跡はしっかり保存されており、訪れる価値は十分ある。さらに巨石群も圧巻である。あたかも人の手で積み上げられた石垣のようであるが自然の造形であり、これらも感動を与えてくれる。さほど苦労なく登城できるため、お薦めの城跡である。
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▲城跡入り口(1.5Km前)
▲登城口前の駐車場
▲登城口
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▲井戸跡
▲土塁
▲堀切
▲太鼓櫓
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▲御釜屋
▲三の曲輪
▲虎口・門跡
▲二の曲輪
▲城跡石垣
▲城跡石垣
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▲一の曲輪
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▲城山八幡神社
▲物見杉
▲旗立岩
▲三の曲輪
▲三の曲輪からの遠景
▲三の曲輪からの巨石群へ
▲土塁
▲花崗岩の巨石群
▲「巨石群と節理」説明板
▲巨石群から登城口方面へ