長原城跡
ながわらじょうあと (Nagawara Castle Ruins)
【C-ME074】探訪日:2020/10/15
三重県度会郡度会町長原
【MAP】
〔駐車場所〕伊勢大宮線(県道38号)沿いに案内板がある。長原公民館に駐車可能。
戦国時代の天文前半の頃(1530年代)、豪士の大崎玄蕃が北山の浅間山上に守閣(砦館)を構え、20年余居城し、1556(弘治2)年2月に没している。玄蕃は慈政の中にも諸制は厳しく、旧弊をあらため、さらに長原池造成の大事業を成し遂げて治水の万全をはかるなど、生業発展と民生安定に大いなる治績を収めた。また、城の麓に長命寺を草創して菩提寺となし、自ら大旦那として住民との触れ合いを深め、領民からは非常に慕われていたとされる。
城は長原神社の北背後に聳える標高90m程の山に築かれており、主郭には「大崎玄蕃守城跡」の石碑と社が祀られている。単郭の城で主郭西下に帯曲輪が付き、その北端が竪堀によって遮断されており、主郭の東下は四条の畝状竪堀群がみられる。主郭から北東へ伸びる尾根に二条の堀切を設けている。なお、城の石垣は1835(天保6)年の大洪水によって決壊した池の修復に使われており現存しない。