岩屋古墳
いわやこふん (Iwaya-Kofun Tumulus)
【K-AC128】探訪日:2020/9/22
愛知県小牧市大字岩崎
【MAP】
〔駐車場所〕
6世紀末~7世紀初頭の飛鳥時代に築造された横穴式石室を主体部とする直径30m弱の円墳である。当初、岩崎山南東側山麓の杲洞寺近くに位置していたが、区画整理事業に伴って2007(平成19)年8月から12月まで発掘調査されたのち、岩崎山北東側の岩崎山公園に移設,復元された。石室は擬似両袖式の横穴式で玄室全長3.8m,幅2~2.2m,高さ2.2m。羨道は残存長で3.6m,幅1.9mである。また、石材は岩崎山から切り出された花崗岩で、玄室は持ち送り積みで3~4段の石を使って構築されている。幾つかの石材には築造当時のタガネによる加工痕が確認されている。
南と西側では羨道の石材が露出するまで崖状に封土が削り取られて、石室材の一部が転落し、東側に至っては石室東側が露出する状態まで墳丘が完全に削り取られていた。これは古墳裏手の石切場への通路を確保するため、江戸時代に掘削された可能性が高いとされる。
内部からは家形石棺の蓋などが出土しているが大半は失われており、石材として利用するために持ち出されたと考えられている。推定される棺の長さは2m。材質は礫質凝灰岩で、石棺材のみ禅師野(犬山市)付近から持ち込まれたものと推定されている。
なお、石室内からは、耳環,須恵器の長頸瓶,高坏,平瓶などが出土してている。